河内ふれあい朝市

◇竹野町河内
TEL.0796-48-0178
◇営業時間
毎週土曜日 6:00〜12:00 (冬期は7:00より)年中無休
◇代表
達富鶴己さん

土曜日、午前6時半。まだ明けきらぬ空の下、ざわざわとうごめく人の列。冬期は開店が7時だというのに、もうかなりの客が今や遅しとそれを待っている…。

ここは、もう既に竹野の新名所ともいえる「河内ふれあい朝市」。
豊岡から行くと、ちょうど森本トンネルと土生トンネルの間、国道178号線沿いにある。
豊岡、竹野、香住のいずれからも、ちょうど12km。つまり真中に位置している。 …しかし寒い。見るとここには全く火の気がない。
なぜかと聞くと、「灯油臭くなるし、新鮮な青物を置いているので側に火は近づけられない。」という答えが。
なるほど、とそのこだわりに納得する。7時の開店と同時に、市はたちまち人であふれた。

新鮮な野菜がひしめき合う。太くてきれいな大根、大きな白菜、立派なネギに菊菜…。蕪も堂々たるものだ。商品台の上には、おいしそうな加工品の数々。本当の無添加が実感できる沢庵や蕪漬など、漬物は人気商品だ。
また、素朴なよもぎ餅や見たこともないくらい大きな栃餅、昔懐かしい切餅もある。ここでは一部の商品を除き、すべての商品が1単位(1束・1袋・1くくり)で100円だ。それも税込。
つまり、大きな袋に何個も入ったもの、何本もヒモでくくられたもの、どれもこのボリュームで100円なのだ。すでに市は黒山の人だかり。また事務机を並べたお会計所では、列をなした客の一人一人をおばちゃんたちが笑顔で迎える。 「遠いーとこをよう来ておくれた。」「おおきにー。」「また来てーよー。」どの顔も実にいい。

そのおばちゃんたちの質問にテキパキと答え、指示を与え、また時には注意をしている男性がいた。この男性こそ、朝市の創設者であり会長の達富鶴己さんだ。もともと椎茸栽培を35年やってきた達富さんは、目的作物を専業で作っている兵庫県も認めた模範農家。
「朝市のことは淡路、猪名川、篠山など県下の先進地で見て、知ってました。」
達富さんは、作った作物を売りたい人が自由に持寄れる、そんな自然発生的でフリーマーケットのような朝市をやりたいと考えた。自らの土地を提供し、建物も3年かけて自分で建てた。

オープンは平成11年の7月20日。今でも河内土曜朝市は組合組織にはしていない。あくまでも県の指導を受けてのグループ活動である。
組合の弊害を達富さんはこう語る。
「皆から選ばれた組合長や役員では身動きとれない。指導も注意もやりずらい。批判を気にしてしまうからです。私は単なるグループの代表ですから、教えることも褒めることもできるし、遠慮なく叱りもします。」

現在但馬1市6町に36ヶ所の朝市があるが、県の指定を受けているのは河内と豊岡のコウノトリ朝市だけとのこと。
朝市が口コミで広まり忙しくなるにつれ、達富さんも普及センター等、県の要請による仕事が増えてきた。様々な指導・助言・協力・参加の依頼が舞い込む。椎茸も3年前にやめた。
達富さんは決して来るものを拒まない。現在河内の他、三原、森本、そして竹野地区の会員もいる。
今では久美浜からカキを持って来る人、香住から魚やカニを売りに来る人もいる。

オープンの日のことを、達富さんは懐かしそうに話してくれた。
「今でも忘れられません。その日の売上は28,000円。でも額は問題じゃない。だって初めて、自分の作った物を客に直接手渡して、お金をもらったんですから。そりゃもう、みんなが感動しましたよ。」
今ではわざわざ遠方から買いに来るお客さんもいる。
中には加古川から何と朝4:30頃来るご夫婦も…。
「いつも笑顔で応対してますよ。だからほら、みんな元気だし、生き生きしてるでしょ。」
達富さんを中心に、皆が本当によくまとまっている。
ここでは、皆が、家族なのだ。